フォトンテックイノベーションズ株式会社
生体透明化試薬LUCID
検体を透明化した状態で長期保存できる世界で唯一の透明化試薬
LUCIDとは?
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第112回日本病理学会総会併設展示会に出展致しました
2023年4月13日(木)~4月15日(土)に、山口県下関市で開催された第112回日本病理学会総会併設展示会に出展致しました。
また、昨年に引き続き、学会総会にて本技術を活用した研究成果の学会発表も行われました。
会期中は多くの皆様にブースへお立ち寄り頂き、誠にありがとうございました。
透明化試薬で検体が透明化するメカニズム
臓器透明化技術は、検体(標本)を特定試薬に浸すことにより臓器を透明化するもので、これにより切片標本を作ることなく標本内部を観察することができます。この技術を活用すれば、癌や病原体を早期且つ確実に見つけ出すことが可能になります。臓器が不透明に見えるのは、臓器の細胞を構成している細胞核や細胞膜と生体液の屈折率が異なるため、すりガラスのように光が散乱してしまうからです。臓器が不透明であれば、その内部を観察することは出来ません。この問題を解決するため、生体液を細胞組織と同じ屈折率にして散乱を抑制した透明化液を生体液と置換し、臓器を透明化することで、その内部を観察することが可能になります。
生体透明化試薬LUCIDとは?
LUCIDは、
透明化した標本の長期保存が可能
透明化プロセスがシンプル&短時間
透明化プロセスで組織を破壊しない
有機溶剤や脱脂成分を不使用
ほぼ全種類の蛍光指示薬を使用可能
骨や植物の透明化も可能
という特長をもつ、唯一無二の透明化試薬です。
従来の透明化液は、有機溶媒や脱脂成分などを用いており、観察したい生体成分の喪失は避けられず詳細な解析も不可能でした。さらに透明化までに長期間を要したり、組織崩壊のため透明標本を長期保存できないなどの問題も抱えていました。
LUCID はこれらの問題を解決するもので、臓器を漬けるだけで、短時間(組織の大きさにもよるが一般的に24時間以内)で安全に臓器を透明化でき、しかも長期にわたり臓器の形態とたんぱく質機能を保持することができます。LUCIDは臓器本来の成分(色)を保持できるため、血液のヘモグロビン鉄による赤色もそのまま観察できます。
LUCIDによる透明化処理例
LUCIDで透明化したネズミ
上:LUCIDで透明化したネズミの肺(透明化前後)
下:LUCIDで透明化したネズミの腸(透明化前後)
LUCIDで透明化したワカサギ
LUCIDで透明化したワカサギ標本は5年経過しても全く崩壊せず透明化状態を維持しています。
LUCIDで透明化したワカサギ
LUCIDで透明化したワカサギ標本は5年経過しても全く崩壊せず透明化状態を維持しています。
LUCIDご紹介ビデオ
LUCID 関連論文・学会発表
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gel electrodes.
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2016, DOI: 10.1038/ncomms11425
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Transparency-enhancing technology allows three-dimensional assessment of gastrointestinal mucosa: A porcine model
.
Pathology International
2018; 68: 102–108
Sawada, Kazuaki; Kawakami, Ryosuke; Shigemoto, Ryuichi; Nemoto, Tomomi (2018)
Super-resolution structural analysis of dendritic spines using three-dimensional structured illumination microscopy in cleared mouse brain slices.
European journal of neuroscience
, 47(9): 1033-1042
Eriko Ikeda, Jun Ushio, Yuki Kawasaki, Kensuke Yokoyama, Hironori Yamamoto, Hiroshi Onodera, Noriyoshi Fukushima (2019)
Tissue Clearing Technology Allows Three-Dimensional Assessment of Pancreatic Tumor Tissue Obtained by Endoscopic Ultrasound-Guided Fine Needle Aspiration Biopsy (EUS-FNAB).
LABORATORY INVESTIGATION USCAP 2019
LUCIDによる標準的な透明化手順
Q&A
Q
なかなか透明になりません。
A
透明になりにくい原因として主に3つの原因が考えられます。
検体に対して透明化試薬が少ない洗浄に用いた水分の混入量が多いことも原因となるのでstep 2で洗浄後,水を可能な限り除去すること。この場合は透明化試薬の量を増やすか,新しい透明化試薬に浸漬することで解決できます。
管腔構造のある検体の場合,内部に気泡や組織液や固定液が残存して透明化液への置換が進まないことがある。この場合は注射器などで管腔内部の気泡や組織液を吸引除去後,透明化試薬LUCIDを管腔内部に注入すると透明化が加速する。
固定方法に問題がある。長期間固定液に浸漬されていた検体の透明化は困難です(臓器が変色するほど固定液内に放置された検体など)。過度な固定は透明化試薬の標本内浸透を妨げます。可能な限り新鮮な検体を使用するとともに固定時間を最適化してください。良好な免疫組織化学染色結果が得られる固定条件が目安となります。
Q
透明化処理中に透明化試薬が着色してきたのですが?
A
検体に含まれる血液や体液、色素、葉緑素、胆汁が流出することがあります。この場合は新しいLUCIDに浸漬し直してください。これにより蛍光顕微鏡観察時のバックグラウンドも下がります。
Q
標本は透明化したが内部の血液が透明にならないです。
A
血液(ヘモグロビン鉄)は透明になりません。血液が観察の妨げになる場合は標本固定の前に血液を除去してください(潅流固定等)。LUCIDは赤血球が破壊されにくく(溶血しにくい)ヘモグロビンの色をそのまま保持できることが特徴でもあります。血管内に残存する血液が透明化後も観察できるので、血管系の肉眼観察(教育用途など)が半永久的に可能です。
Q
組織の色が残ってしまいます。
A
LUCIDは標本内の多くの色素の色を保持できることも特徴です。例えば肝臓、腎臓、メラニン色素、植物(花、花粉、種子など)などの色の多くは保持されます(花が変色することもあります)。必要に応じて脱色処理後に透明化液に浸漬してください。なお葉緑体は透明化処理中に流出することが多いようです。3次元蛍光顕微鏡(多光子顕微鏡、共焦点顕微鏡、光シート顕微鏡)による3次元観察の場合、色素を含む臓器(筋や肝臓など)よりも色素含有量の少ない臓器(肺など)では、より深部までクリアな画像が得られます。
Q
透明化標本の輸送は可能ですか? 透明化試薬の外に検体を取り出せますか?
A
従来の透明化試薬で処理された検体は非常に脆く、わずかな外力で崩壊します。しかしLUCIDで透明化した検体は元の臓器の強度を保持するため、LUCID液の外に検体を取り出すことが可能です。宅配便などで標本を送ることができますが、輸送の際はLUCID液をいっぱいに満たしたチューブに標本を浸漬すると破損リスクを軽減できます。
Q
透明検体の蛍光顕微鏡観察で注意すべきことはありますか?
A
一般の検体と同様に扱ってください。強い光を照射しつづければ蛍光色素が劣化して蛍光が減弱します。蛍光顕微鏡観察時のみ光照射してください。なおLUCIDは自家蛍光をほとんど有しません。
Q
透明化後にヘマトキシリンエオシン染色や免疫組織化学染色を実施したいのですが。
A
ヘマトキシリンエオシン染色は切片を染色する方法なので薄切する必要があります。透明化標本をLUCID液から取り出して水洗後、従来法で切片を作成してください(凍結切片、パラフィン包埋切片など)。作成した切片は従来の方法でヘマトキシリンエオシン染色が可能です。LUCIDで透明化した検体でもヘマトキシリンエオシン染色による病理診断が可能です。
販売情報
現在、以下のLUCID製品を販売しております。
LUCID-B透明化試薬
屈折率1.53~1.54 (植物の透明化にも対応)
2mlトライアルパック(1ml×2本) 19,800円(税抜)
また、5ml、10ml、20mlの御用意がございます。価格表についてはお問い合わせください。
より大きな販売単位でのご購入をご希望のお客様は、都度見積での御対応をさせていただきますのでお問い合わせください。
※海外からの御注文も可能です。その際は、送料・関税等のご負担が別途必要となるほか、
為替レートにより上記の価格と販売価格が変わる可能性がございますのでお問い合わせください。
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会社概要
会社名
フォトンテックイノベーションズ株式会社
設立
2018年10月9日
所在地
東京都文京区本郷4-1-6 アトラスビル6階
資本金
4,300,000円
代表者
代表取締役 森下 裕介
所在地
東京都文京区本郷4-1-6 アトラスビル6階
フォトンテックイノベーションズ株式会社は、東京大学に所属する研究者等の参画のもと、東京大学の研究成果を事業化するために設立された東京大学発ベンチャー企業(東大ベンチャー)です。また、当社は文部科学省・科学技術振興機構 のセンター・オブ・イノベーション(COI)プログラムに参画しており、同「コヒーレントフォトン技術によるイノベーション拠点」(ICCPT)のメンバー企業です。
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